東京から離島へ
- Ellie Taniguchi

- 8月5日
- 読了時間: 2分
更新日:8月10日

この春、私は東京から広島の離島・大崎上島(おおさきかみじま)に拠点を移しました。
現在、この島でリトリート・センターを運営しています。
日々の生活から少し距離をとり、自分自身と静かに向き合う時間を過ごせるような、安心して「立ち止まる」ことのできる場所です。
これまで私は、東京やニューヨークといった都市で長く暮らしてきました。
金融業界や、海外でのテクノロジー分野の事業にも携わってきました。
その経験を経て、今こうして自然に囲まれた島に拠点を移したことは、一見大胆に映るかもしれませんが、私自身にとっては、ごく自然で、深く納得のいく選択でした。
私が考えるリトリートとは、「自分の内側と静かに向き合うための、隔離された時間と空間」。
日々の生活では聞き流してしまいがちな心の声に耳を傾け、自分の思考や行動の奥にある“本当の意味”に触れていく。
そんな体験をサポートする場として、このセンターを開いています。
大崎上島との出会いは、約12年前。ふとした旅がきっかけでした。
訪れるたびに、島の人々や自然に魅了され、少しずつこの場所が「自分の居場所」になっていきました。
数年前からは東京との二拠点生活を送り、そして今、この島に暮らしの重心を移しました。
転機となったのは、リトリートを訪れてくれる方々と向き合う日々の中で、自分自身の内側とも深く対話する時間が増えたことでした。
その中で、「この島で暮らし、働くことが、今の自分にとってもっとも自然な在り方だ」と確信を持つようになったのです。
大崎上島は、瀬戸内海に浮かぶ船でしか来られない島です。
海に囲まれた静けさの中で、訪れる人の心にそっと余白が生まれる──
そんな「場の力」が、この島にはあります。
多くの移住者や旅人が集まるこの島は、誰かにとっての通過点であり、誰かにとっての新しい出発点でもあります。
この土地の自然と人のあたたかさが、そのどちらも、静かに受け止めてくれるのです。
ここでの暮らしとリトリートの場づくりは、すでに日々、少しずつ根を張り始めています。
訪れる方々が安心して深呼吸し、自分自身と向き合える時間を過ごしていただけるよう、丁寧に整えています。
この島だからこそ生まれる静けさと深さを、必要とする方に届けていけたら──
そんな思いで、これからもこの場所を育てていきます。



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