戦争と自己愛
- Ellie Taniguchi

- 1 日前
- 読了時間: 2分

最近、世界のあちこちで、戦争の気配が聞こえてくるようになりました。
ニュースとしては遠くの出来事でも、どこか落ち着かない空気があります。
歴史を振り返ると、戦争は突然始まるわけではありません。
その前には必ず、人々の心の変化があります。
現代社会では、多くの人がどこかで
「自分はまだ十分ではない」
という感覚を抱えています。
広告やSNSは、常に「もっと良くなれ」と語りかけます。
もっと成功しろ。
もっと魅力的になれ。
もっと価値のある人間になれ。
そうしたメッセージの中で、私たちは知らないうちに、
自分の存在そのものに自信を持てなくなっていきます。
フランスの思想家、エーリッヒ・フロムは、その著書『愛するということ』の中で
こうした社会の状態を深く分析しています。
自分に確かな感覚を持てないとき、人は安心を外側に求めます。
国家
イデオロギー
集団
そこに自分を重ねることで、自分の存在を支えようとします。
すると、人は
「自分たち」と「敵」
を作り始めます。
そしてそのとき、暴力は正当化されやすくなります。
フロムは言いました。
『愛は感情ではなく、能力である。』
そしてその中心にあるのが自己愛です。
ここで言う自己愛とは、自分を特別だと思うことではありません。
むしろ逆です。
『自分の存在を静かに受け入れる力。』
自分を受け入れることができる人は、他人を脅威として感じにくくなります。
だからこそ、自己愛は平和の基礎でもあります。
戦争は、憎しみから始まることもありますが、実際には多くの場合、恐れから始まります。
恐れは、自分が壊れてしまうのではないかという感覚です。
もし人が自分の存在を深く信頼しているなら、
世界はそれほど脅威に満ちた場所ではなくなります。
自己愛は、言葉だけで育つものではありません。
それは、静かな時間の中で育つものです。
自然の中にいるとき、静かに座っているとき、
人は少しずつ自分の存在そのものを感じ始めます。
そこから生まれる安心は、
とても静かですが、
世界を変える力を持っているのかもしれません。



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